2013年、オリンピックの東京開催が決まったとき、たいして感慨もなく「へぇ」くらいの気持ちだった。
2019年、来年オリンピックだねーという話をしたとき、某広告代理店とつながりのあるお友達はお仕事をもらえそうな素振りで「楽しみだけど気が重いなぁ」と言っていた。
2020年、オリンピックの延期が決まったとき、一度は引き受けた仕事がうやむやになり、さらに不透明になって消滅し、引き受けたはずの友達は「詐欺じゃん」と憮然としていた。
2021年、開催ぎりぎりになって「仕事やらないか」というオファーがきたら、ほぼボランティアの枠で、さすがに断ったという話を聞いた。
息子はバイト先から、オリンピックの会場スタッフの仕事をしないかと誘われていた。
登録ボランティア辞退が相次いだので、急遽バイトを募集しているという。時給をきいたら、私の仕事よりはるかに良い。
しかし、片方は無償、片方は有償で、同じ仕事するんだよね?
それはどうなのよ…
いろいろ割り切れないまま、開会式当日を迎えた。
どうでもいいんだけどさ、といいつつ開会式を見る。いや見届けないとでしょ。
しかし、まとまりのなさ、中身のないスカスカ感…やっつけ仕事という言葉が浮かぶ。
現場の人々は大変だったろうな…
と感慨に耽っていたら、友達からラインが入った。
「ねえ!バックダンサーに竹井くんがいる!」
竹井くん、は高校の同窓生で、ちょっとした有名人だ。
文化祭のクラスの出し物でヒーローショーをやってから演劇にハマり、大学では小劇団に属し俳優になった、という経歴の持ち主で、ドラマやCMにちょこちょこ出演している。
優しいお父さんという風貌で、しょっちゅうテレビに出演しているのだが、ドラマやCMに出るたびに年齢や雰囲気が全然違う。さすが俳優さん、と毎回思うが、私が自分で気づいたことはほとんどなく、いつも後から友達に教えてもらって出演していたことを知る。
その竹井くんが、ねじり鉢巻をした真矢みきの後ろで、なぜか法被姿で踊っていた。
画面の情報量が多すぎて、ちょっと頭が追いつけない…
いや〜でも世界中に配信されている映像に知り合いが映るとは〜〜
その後のやり取りで、解任された演出家の舞台の常連俳優だったことを知った。
竹井くん頑張っていた。すごかったよ。
オリンピックは、利権のかたまりのイベントだということを今回おもいしった。
「金にならない」と分かったら、いっせいに皆、逃げ出したり
名誉に釣られた人たちも、過去の悪行を暴かれて泣く泣くやめたり、やめさせられたり
開催前から軸がブレブレで、どうなるのかと気を揉んだ。
でも、逃げないひとがいたから、開会式も無事終わった。
そのひとたちの勇気に感謝を言いたい。
ありがとうございます。
さらに勇気を出して言う。
今からでも中止すべきだ。
それが本当の勇気だと思う。