あみだクジの線から下りる

AIの進歩がすさまじい。

ChatGPTとかMIdjourneyとか、クリエイティブに関わる分野に到達するには、もう少し時間がかかると思われていた予想が、完全に早まった感ある。

もうシンギュラリティはおきているのでは。

ここ半年ほどで急に進歩して、巷に雪崩れ込んできた印象があったが、ネットを眺めていたら、同じことを考えていた人のつぶやきが流れてきた。

IT専門家は急成長したわけを聞かれていて「わからない」と答えていた。

え、でもこのAIの感じって、マニュアルどおりなら完璧だけど臨機応変には絶妙に対応してくれないバイトくんみたいじゃない?

人間の考え方やあり方の方が、AIに寄せていってるんじゃないのか。

 

ちょっと前、転職サイトの「適性診断」をやってみたことがあった。

 

Q. 仕事に取り組む姿勢においてどっちを優先しますか

A. 自分の能力を発揮する B.収入など経済的に豊かになること

 

Q. 仕事を進めていく上でなんらかの判断を迫られる時、どちらを優先しますか

A. 接する相手のニーズ  B.周囲からの期待

 

Q. 仕事を進めていく上でなんらかの判断を迫られる時、どちらを優先しますか

A. 社内ルールや規範 B.人情や共感

 

こんな感じに答えていくのだが、だんだん「自分の思考よりも企業風土に合わせろ」みたいな圧力を感じる内容に変わってくる。

設問が進むにつれ、具体的な設定や答えの誘導が見えるような質問になっていった。

 

Q. 仲の良い同僚がミスをし、上司に叱責されました。あなたが一番共感する行為と、絶対にしないと感じる行為をそれぞれ1つずつ選択してください。

1.  同僚の気分転換をはかるために外へ連れ出す

2. 同僚のミスの内容を聞いて、対策を一緒に考えると申し出る

3. 何もしない

4. 同僚に声をかけ、様子をみる

5. 同僚に声をかけ、仕事以外の明るい気分になるような話をする

 

こんなのどう答えろっていうんだよ〜

同僚の性格や付き合い方、職場の距離感とかシチュエイションにもよるだろ。

でも無理やり答えていくと、最後に「こちらは結果は本人には知らされません。何度でもテストを受け直すことは可能です。この結果は転職先の企業にも公開されます」と表示されるのだ。

なんだ、それ!!!

このテストを受けた転職希望者に、会社に従順に務めろってプレッシャーかけてるようなものでは。

社畜適性試験か!?

生身の人間をbot化してどうするよ

それこそAIで良いじゃないか

というか、AI化した人間が、自分をなぞらえるAIを作って運営しているんだ…

そう思ったらゾッとした。

 

コンピューターのプログラムは、0か1かの選択の積み重ねで成り立っている。

どんなに複雑で難しいプログラムも、膨大な選択の結果表示なのだ。

人間の世界も、選択で成り立っているところは変わらないかもしれない。

としたら、選択の規模や速さにAIが順応したということなのか。

膨大で複雑なあみだクジの果て。

そこに立つ私たちに、その先さえ見えていないのに

最近は、早くもっと先へと急かされているようだ。

でもそれって本当に大事?

あみだくじの先を選ぶより、その線から降りることのほうが

人間らしいような気がしてきた。

 

とりあえず

転職サイトdudaからは退会しようっと!